犬・猫の骨折
犬・猫の 骨折 の症状・初期症状・兆候・原因・予防法・治療法・かかりやすい犬種など、詳しくまとめました。気になる点があれば、すぐに動物病院に連れていってあげましょう。
読み: こっせつ
目次
症状
犬が骨折した時の症状は、その部位によっても違ってきますが、一般的には以下のような症状がよく見られます。
歩き方がいつもと違う
犬が骨折するとまずおかしいと感じるのが、歩き方の変化です。いつもならスタスタ歩いているのに骨折することで折れた足をかばいながら歩いたり、引きずったり、時には折れた足を上げたまま歩いたりします。
元気がなく動かない
犬がいつもと違って元気がなくうずくまっていたり、盛んに足などの体の一部をなめていたらそれは骨折しているサインの可能性があります。その場合骨折している周囲が腫れあがっていたり、熱をもっている可能性もあります。また、この状態では痛みも強いので犬によっては飼い主さんが体を触れようとしただけで「ヒャンヒャン」鳴く場合もあります。
変な音が聞こえる
骨折をすると、犬の体からは妙な音が聞き取れることがあります。例えば「バリバリ」「バチバチ」といった音です。聞きなれない音なのでまさか犬から音がしているとは思わないかもしれませんが、これも骨折をいち早く発見する手立てとなりますので、いつもと犬の様子が違う時には変な音がしないか注意してみましょう。
体の一部が変形している
骨折をすると体の一部が変形していることもあります。しかし、変形している状態に気づくには普段から犬の体がどうなっているのか、見て触って知っておく必要があります。毎日健康チェックをして犬の体を見て触る習慣をつけておきましょう。
骨折の症状
- 歩き方がいつもと違う
- 元気がなく動かない
- 変な音が聞こえる
- 体の一部が変形している
骨折の種類
骨折にはいくつかの種類があります。それにより症状なども違ってきます。骨折は大きく分けて二つの骨折名があり皮膚の外に骨が出てしまっている状態を「開放骨折」と呼び、皮膚から出ておらず、皮膚の下で骨折している状態を「閉鎖骨折」と呼びます。そして、骨折した部位から骨折した形により診断名称がつきます。
また、人の骨折でよく聞く「複雑骨折」は折れ方がバラバラで複雑だからということではなく、折れた骨が皮膚から飛び出して外気に触れてしまっている状態のことを言います。つまり、「開放骨折」と同じ意味です。そして、骨がバラバラに折れてしまっている状態を「粉砕骨折」と呼びます。
事前に覚えておこう!
骨折した時に動物病院で獣医師から説明を受けますが、いきなり複雑な名称を言われても分かりづらいものです。今のうちから上記で説明した3つの骨折の種類を覚えておくと、診断を受けて説明をされた時も頭に入りやすいです。
開放骨折
皮膚から外に飛び出してしまった骨折の状態。「複雑骨折」ともいう。
閉鎖骨折
皮膚から飛び出しておらず、皮膚の下で骨折し炎症を起こしている状態。
粉砕骨折
骨折した部分がバラバラになってしまった状態の骨折。
原因
犬の骨折は、普段の日常生活でいつの間にか骨に負担が連続的にかかることにより骨折してしまったり、どこかを強くぶつけてしまうなどにより起こります。また、老犬であったり、免疫低下や日光浴不足で起こる『クル病』や『骨腫瘍』などの影響により骨折を引き起こしている場合もあります。
犬の骨折で特に多い「前足骨折」
「前足骨折」は犬で圧倒的に多い骨折です。この骨折は、高い場所から飛び降りた時に骨に負担がかかり骨折してしまいます。日常生活でよくあるのが、ソファーやベッドから飛び降りてしまい折れてしまうことです。また、床がペット用になっておらず、床に弾力性がなかったり床が滑りやすくなって転んでしまうことも原因となってしまいます。
特に、骨の細い超小型犬や小型犬が前足骨折で動物病院に運ばれてくることが多いので、超小型犬や小型犬を飼っている飼い主さんは、犬の生活スタイルを見直してあげるようにましょう。
また、前足の骨折はやっかいで、治療が難しく経験豊富で技術のある獣医師の下で治療を受けないと、後遺症が残り歩けなくなってしまうこともあります。前足の骨折をしてしまった場合は骨折の治療に力を入れている動物病院へ行くようにしましょう。
その他にも骨折の原因が
- 「疲労骨折」……一部分に繰り返し大きな負担がかかったことで骨折
- 「圧迫骨折」……骨の一部が圧迫されることにより起こる骨折
- 「亀裂骨折」……外部からの大きな衝撃によりヒビが入ってしまう骨折
- 「剥離骨折」……腱、靭帯、筋などが無理に引っ張られ、その部分の骨が引き裂かれる骨折
どの骨折の原因も犬の体や骨に大きな負担がかかったことで起こる骨折です。無理な態勢を取らせたり、無理な抱き方をしたりなど飼い主側が気を付けなければならないことがほとんどです。毎日のふれあいで、犬に無理をさせていないかなど今一度考えてみましょう。
主に超小型犬や小型犬が主多く骨折していますので注意が必要です。
予防法
犬の骨折を防ぐ方法は、いくつかあります。日常で気をつけれること、また定期健診を受けて事前に予防することも可能です。
日常生活で起こりやすい骨折も予防法
骨折のほとんどは日常生活を見直し改善することで防ぐことができます。犬は人用のふかふかのソファーやベッドが大好きです。しかし、これらのものは床からの高さがあり、小さな犬の骨には下りた時の衝撃が大きいものです。そのため、日常的にソファーやベッドから下りる動作を続けていると、そのうち疲労骨折として表れてしまいます。なのでできればソファーやベッドに事前に上がらせないようにするのが一番です。しかし、一度ソファーやベッドの良さを知ってしまった場合やめさせるのは難しいですね。そこで、犬の骨に負担をかけないように犬用のステップやスロープを置いてあげると良いでしょう。
また、不慮な事故などにより骨折してしまうことを防ぐために、お散歩の時はリードを短めに持つようにし、犬の飛び出しや外傷による骨折を防ぎましょう。
動物病院での定期健診で予防
犬も人と一緒で高齢になったり病気を発症することで骨がもろくなり、骨折を引き起こしてしまうことがあります。高齢や持病による骨折は、若い頃や健康な時よりも治りが悪く、治療が遅れれば後遺症が残る場合もあります。それを防ぐためにも定期的に動物病院での健診を受け、少しでも変化があればすぐに獣医師の診察を受けるようにしましょう。
犬の骨折の予防法
- ソファやベッドにスロープをつける
- 散歩時は事故を防ぐためにリードを短めに持つ
- 定期健診をする
治療法
犬の骨折の際の治療法は、どの骨折の状態でもまずはレントゲン検査を行い診断してゆきます。その後、折れてしまった骨の部分を固定する治療が基本治療となります。そして、骨折の状態により固定治療の仕方が違ってきます。
外固定術
骨折している部分全周をギブスで巻き固定する方法です。
創外固定
創外固定器を用いて行う処置法。この装置を骨折部分に装着し自動的に骨の変形
を矯正することができます。
内固定術
内固定術専用のプレート、ワイヤー、ピンを用いて骨折している部分を固定する方法です。
用いられる薬剤
犬が骨折した際はかなりの痛みが伴いますので、痛みを和らげる薬剤が使われます。痛みの度合いが軽度なら「非ステロイド消炎鎮痛剤」。重度の場合は「麻薬性鎮痛剤(オピオイド)」が使用されます。
治療費について
犬の骨折は一箇所でも入院になることがほとんどで、平均で20万円〜30万円前後かかっています。
ギブスでの外固定術で済む場合は6万円(診察、レントゲン検査含め)程度、その他ギブスでの治療では治らない場合(大腿骨などの骨折や複雑骨折ともなると)創外固定術や内固定術になり、金額も30万円〜50万と高額になることも。最高額では100万円という場合もあります。
骨折の治療費
- 平均:20万円〜30万円前後
- ギブス:6万円程度
- 創外固定術・内固定術:30万円〜50万円
骨折予防に役立つグッズ
山善 ステップ3段
山善 ペットステップ 3段 ブラウン YZP-003S(BR)
犬の足の負担をかけないようソファーやベッドなど脇に設置するステップです。柔らかく弾力があり、犬の足を優しく保護してくれます。カバーは取り外し可能で自宅洗いができてとても便利。
明和グラビア ペットスロープ
こちらのスロープはソファーやベッドに合わせて高さを調節できる優れものです。
スロープタイプなので腰の悪い犬にもお勧めです。
木製2WAYステップ
木製の2WAYステップはお好みでスロープにしたりステップにしたりの2通りにできる
ものです。その時の犬の状態により変えることが可能な便利品です。
成犬 シニア犬 シニア予備軍 関節・骨・毛づやのためのコラーゲン・トリペプチド
成犬 シニア犬 シニア予備軍 関節・骨・肌・毛づやの為のコラーゲン・トリペプチド
全国の動物園でも使用されているほどの実績のあるサプリメントです。軟骨や骨などを普段から強化でき、シニア犬はもちろん、若い成犬からも使用できるうれしい商品です。
かかりやすい犬種とペット保険料
次の犬種は、 骨折 にかかりやすいと言われています。この犬種の飼い主さんは特に生活環境や発症・悪化させないようにしつけを行い、ペット保険に加入しておきましょう。
動物病院の治療費は高額になりがちです。治療費のために十分な治療ができなかったということにならないように、ペット保険に加入して備えておくことも、愛犬・愛猫の飼い主さんの大切な役目です。