犬・猫の子宮蓄膿症
犬・猫の 子宮蓄膿症 の症状・初期症状・兆候・原因・予防法・治療法・かかりやすい犬種など、詳しくまとめました。気になる点があれば、すぐに動物病院に連れていってあげましょう。
読み: 子宮蓄膿症
目次
症状
子宮蓄膿症は、子宮内に膿が溜まってしまい放置すると命に関わる危険なメス特有の病気です。この病気は初期の場合は症状がなく、いつも通りの生活ができてしまうため、いつの間にか重症化してはじめて子宮蓄膿症だということを知る飼い主さんも多くいます。
発症しやすい年齢は5歳以降の未避妊の犬ですが、発情を迎えている犬であれば1歳ぐらいの若い犬でも発症します。また、治療で黄体ホルモン剤を投与されていた犬にも起こりやすい病気です。
子宮蓄膿症の症状が進行してくると以下の症状が見られます。
子宮蓄膿症の症状
- 元気消失
- 食欲不振
- 多飲多尿
- 下痢
- おう吐
- 発熱
- お腹が膨れる
- 陰部から膿が出る
症状が1つでも当てはまるなら動物病院へ
これらの症状が一つでも当てはまるようでしたら、一度獣医師の診察を受けるようにしましょう。また、陰部からの膿が出る症状はだいたいのメス犬が外陰部から膿が出ることが多いのですが、もし、膿の量があまり出ていない場合子宮の頚管が閉鎖している可能性があり、注意が必要です。
多飲多尿は腎障害の合併症の恐れも
また、その症状は重くなり多飲多尿の症状が出ている場合は細菌による内毒症で腎障害を引き起こしている可能性もあります。早期発見なら外科手術で完治できますが、重度になればなるほど外科手術が困難になり、最後は延命治療のみになってしまいます。
子宮蓄膿症が疑われる場合は、早急に動物病院に受診するようにしましょう。
原因
避妊手術を受けていない場合には発症する確率が非常に高くなります。未避妊の場合、犬の体は本能的に妊娠ができるよう発情をします。発情後は黄体期に入り黄体ホルモンが分泌されます。これにより免疫力が低下してしまうのです。この時に子宮内に細菌が入り込むとどんどん増殖をしてしまい子宮内に膿が溜まり子宮蓄膿症を発症します。
この病気の特徴は、必ず黄体ホルモンの異常分泌が関わっているということです。黄体ホルモンの出ていない状態では例え子宮に細菌が入っても、免疫力が低下していないため細菌が増殖することはないのですが、黄体期に黄体ホルモンが過剰に分泌されてしまうと、子宮腺の増殖を引き起こしたり、子宮筋層の活動を低下させてしまいます。これにより子宮内に細菌を留め、膿がどんどん溜まってしまうのです。
子宮蓄膿症の原因
黄体ホルモンの過剰分泌により、細菌が増殖し、膿がたまる
予防法
やはり予防は『避妊手術』が一番有効です。繁殖の予定がないのであれば、できるだけ早い段階で避妊手術を受けることが重要です。できれば初めてのヒート(発情期)を迎える前に行うのがベストで、生後6か月~8か月のうちに避妊手術を受けることをお勧めします。
年を取ってからの避妊手術は術後の傷の治りや体力の回復などが遅れることもあり、若いころよりも犬の体への負担がかかってしまいます。
また、避妊手術は子宮蓄膿症以外のメス特有の病気を防ぐこともできます。例えば、乳腺炎や乳腺腫瘍、子宮がんです。これらも同時に防ぐことができるので、避妊手術を受けることは、犬の健康に大きく関わってくることなのです。
子宮蓄膿症の予防法
- 避妊手術が最も有効
- できるだけ早く、生後6か月~8か月のうちに行おう。
- 乳腺炎や乳腺腫瘍、子宮がんの予防にも
治療法
子宮蓄膿症は外科治療と内科治療の2つの方法がありますが、一般的に外科的治療が行われることが多いです。費用は検査から診断、手術となるとだいたい9万円~30万円前後かかり、重度になればなるほど治療費が高額になりますし、完治の確率も下がってしまいます。そのため早期発見の治療が望まれます。
外科治療
外科治療は膿の溜まってしまった子宮と卵巣を摘出する手術です。手術前の診断のための検査で脱水状態にあったり、電解質の不正が認められた場合は、点滴をして状態を安定させてから手術を行います。子宮と卵巣を摘出した後、腹空内を抗生物質で洗浄をし、膿をきれいに出し切ります。
内科治療
内科治療の場合は、黄体ホルモンを減退させるための薬剤「プロスタグランジンF2α」を投薬します。この治療法はあくまで外科治療が困難な場合のみの限定的な治療になります。基本的には子宮と卵巣を切除する外科治療になります。
子宮蓄膿症の治療費
9万円~30万円
予後のために役立つご飯・サプリメント
ロイヤルカナン 療法栄養パウダー
ロイヤルカナン 療法食 高栄養パウダー 犬猫用 50g×10個
手術後に採食が難しい場合の流動食用のパウダーです。消化に良いもので作られており、体力の消耗を回復させるために必要な栄養素とカロリーを含んでいます。
※療法食となるため与える場合は獣医師と相談しましょう。
ロイヤルカナン 療法食 退院サポート ウェット缶
ロイヤルカナン 療法食 退院サポート ウェット 缶 犬猫用 195g×12個
術後の犬に負担をかけないよう、消化にやさしく作られています。また、術後に普段通りの食事量が取れなくても、少量で必要なカロリーを取ることができ、すぐに体のエネルギーになるように作られています。
※療法食となるため与える場合は獣医師と相談しましょう。
ドギーマン サプリア
獣医師と共同開発された免疫力の維持を目的としたサプリメントです。
コエンザイムQ10やキトサン、ニノ果実エキス配合で、砂糖や塩分、保存料
は配合されていません。手術後普通の食事が取れるようになった犬の健康維持に
役立つサプリメントです。
ソルビダ
術後の健康維持を考えるならオーガニック原材料を使用したフード「ソルビダ」がお勧めです。こちらの商品は7歳以上のシニア犬用に作られているため、必要な抗酸化作用や栄養素はもちろん低カロリーで低脂肪の安心なフードです。
かかりやすい犬の特徴
子宮蓄膿症はどの犬種が多くかかるというわけではなく、未避妊のメス犬が高い確率で
発症する病気です。
かかりやすい犬の特徴一覧
- 発情を迎えている成犬のメス犬
- 避妊手術を受けていない犬
- 黄体ホルモン剤による治療を受けている犬
- 出産を経験していない5歳ぐらいの犬
- 出産を経験した10歳ぐらいの犬
もし、これらの特徴が当てはまるようでしたら、普段の生活をよく観察し、いつもと違うところはないか、食欲や元気はあるか、また陰部からの膿が出ていないかなどチェックをしてみましょう。
かかりやすい犬種とペット保険料
次の犬種は、 子宮蓄膿症 にかかりやすいと言われています。この犬種の飼い主さんは特に生活環境や発症・悪化させないようにしつけを行い、ペット保険に加入しておきましょう。
- イタリアン・グレイハウンドの保険料
- ウェルシュ・コーギーの保険料
- キャバリアの保険料
- ゴールデンレトリバーの保険料
- コリーの保険料
- シェットランドシープドッグ(シェルティー)の保険料
- ジャック・ラッセル・テリアの保険料
- 柴犬の保険料
- シー・ズーの保険料
- チワワの保険料
- トイプードルの保険料
- ビーグルの保険料
- パグの保険料
- パピヨンの保険料
- フレンチブルドッグの保険料
- ペキニーズの保険料
- ボーダーコリーの保険料
- ポメラニアンの保険料
- マルチーズの保険料
- ミニチュア・シュナウザーの保険料
- ミニチュア・ダックスフンドの保険料
- ミニチュア・ピンシャーの保険料
- ミニチュア・プードルの保険料
- ラブラドールレトリバーの保険料
- ヨークシャテリアの保険料
- ミックスの保険料
- 猫・血統種の保険料
- 猫・ミックスの保険料
動物病院の治療費は高額になりがちです。治療費のために十分な治療ができなかったということにならないように、ペット保険に加入して備えておくことも、愛犬・愛猫の飼い主さんの大切な役目です。