犬・猫の白内障
犬・猫の 白内障 の症状・初期症状・兆候・原因・予防法・治療法・かかりやすい犬種など、詳しくまとめました。気になる点があれば、すぐに動物病院に連れていってあげましょう。
読み: はくないしょう
目次
症状
白内障であらわれる主な症状についてまとめてみました
初期の段階では肉眼でわかることはなく犬の日常生活に支障をきたすこともありません。
- 水晶体の一部または全体が白く濁る
視力障害を起こすことによる影響………
- 動きが慎重になる
- 物にぶつかる
- 段差でつまずく
- 壁伝いに歩く
- 暗がりを嫌がる、暗がりではじっとしている
- 飼い主が投げたボールなどを見失う
犬は視覚障害が起きてもそれまでの経験や体の感覚などを使って生活するため住みなれた環境では制限される行動が人よりも少なく初期の段階で飼い主さんが気づきにくく発見が遅れがちになります。
また進行し視力を失ってしまうと寝ていることが多くなり、急に手を出すと驚いて人を噛んでしまうことがあります。
※白濁があっても進行具合によっては生涯、視力を失わない犬もいるようです。
原因
生まれつき水晶体が濁っているものを先天的白内障、加齢やケガ、他の病気などが原因で発症するものを後天的白内障と言います。
犬の白内障は年齢によって異なる呼び方をされています。
- 若年性白内障:0~2歳まで
- 成犬性白内障:2~6歳まで
- 老齢性白内障:7歳以降
※6歳頃まであらわれるものを若年性白内障ともいいます。
加齢や老いにより中心から少しずつ白濁が広がっていくものを老齢性白内障と呼んでいます。
大半は7歳以降の老化によるものですが他に原因がなく若齢で発症する場合は遺伝的な要因が考えられることもあります。
加齢・老化
老齢性白内障は、加齢・老化によるもので、犬種を問わずどの犬にも起こります。
遺伝性・家族性要因
若年性白内障と成犬性白内障のように若くして起こる白内障は遺伝的要因・家族的要因があるものとされています。
当ページのかかりやすい犬種は遺伝性・家族性の白内障が報告されている犬種についてまとめています。
白内障が起こる要因となっているものとは?
水晶体は水分とタンパク質から構成され問題がなければ本来透明であり外から入ってきた光を網膜に映し出す役目を果たしています。それが遺伝的欠如や加齢、外傷、栄養状態の悪化、糖尿病などによる代謝の異常によってタンパク質に変化が起こり透明性を維持できなくなり白く濁ります。
予防法・対策
白内障の予防となってしまったときの対策とは?
特に予防法と呼ばれるのもはありません。早期発見を心がけ愛犬の目の異常や行動の違和感を敏感に察知できるようにしておくことが大切です。
愛犬に視覚障害があらわれたり進行して失明してしまったら?
犬は、視覚障害が起きると住みなれた環境においては経験や嗅覚、聴覚など体の感覚を利用して生活することになるためお部屋の家具の配置変えなどの模様替えは極力控えるようにします。
また、家具の角の部分や取っ手などは視覚障害のあるワンちゃんにとっては危険なものとなります。あたって怪我をすることがないよう安全カバーなどを取り付けるようにし、危険な階段などの段差にはセーフティガードを設置することで犬の侵入を防ぎます。
目の見えない愛犬と触れ合うときはびっくりさせないよう触る直前に必ず一声かけるようにしましょう。
治療法
白内障の主な治療法についてまとめてみました。
犬の白内障の治療には内科的治療法と外科的治療法があります。
内科的治療法
メリット
犬の体への負担が少ない、金銭的負担が少ない
デメリット
あくまで進行を抑えることであり完治はできない
白内障があっても比較的視力が保たれている場合は目薬や飲み薬などを用いて症状を抑えていきます。
外科的治療法
メリット
視力が回復する見込みがある
デメリット
手術による犬の体への負担がある、術後のケアの必要性、金銭的負担が大きい
視覚障害が重度の場合や失明している場合は手術を行います。
手術には2つの方法があり水晶体を取りだす方法と3㎜程度の小さな切開創から超音波で水晶体を砕いて取る方法です。その後、水晶体があったところにイヌ用人工水晶体(眼内レンズ)を入れます。しかし犬の白内障の手術は人の倍近くある水晶体を取りだしたり砕いたりするのにとても時間がかかるため、目への術後の影響は大きく炎症を起こすことが考えられます。また術後は数週間の安静と清潔に保つことが必要となります。
一般的に入院から手術まで最低でも20~30万円程度かかるとみておいたほうが良いでしょう
かかりやすい犬種とペット保険料
次の犬種は、 白内障 にかかりやすいと言われています。この犬種の飼い主さんは特に生活環境や発症・悪化させないようにしつけを行い、ペット保険に加入しておきましょう。
- ウェルシュ・コーギーの保険料
- ゴールデンレトリバーの保険料
- 柴犬の保険料
- トイプードルの保険料
- ビーグルの保険料
- ミニチュア・シュナウザーの保険料
- ミニチュア・ダックスフンドの保険料
- ミニチュア・ピンシャーの保険料
- ミニチュア・プードルの保険料
- ラブラドールレトリバーの保険料
動物病院の治療費は高額になりがちです。治療費のために十分な治療ができなかったということにならないように、ペット保険に加入して備えておくことも、愛犬・愛猫の飼い主さんの大切な役目です。