犬・猫の会陰ヘルニア
犬・猫の 会陰ヘルニア の症状・初期症状・兆候・原因・予防法・治療法・かかりやすい犬種など、詳しくまとめました。気になる点があれば、すぐに動物病院に連れていってあげましょう。
読み: えいんへるにあ
目次
症状
「会陰」とは肛門まわりを指し、会陰ヘルニア(えいんへるにあ)は肛門まわりの筋肉(骨盤隔膜)に隙間ができてしまい、そこから直腸、脂肪、膀胱などの臓器が皮下に飛び出してしまった状態の疾患です。会陰ヘルニアは4つのタイプに分かれており、「背側型」「尾側型」「腹側型」「坐骨型」があります。この4つの中でも多くみられるタイプが「尾側型」です。
犬の会陰ヘルニアの症状
- 肛門の近くが膨らんでいる
- うんちが出にくい
- おしっこが出にくい
原因
会陰ヘルニアの根本的な原因はまだ分かっていませんが、骨盤隔壁の筋肉が弱化することが原因であることが多いと言われています。骨盤隔壁とは会陰部にある筋肉のことで、ここの筋肉が弱まることで会陰ヘルニアを引き起こします。
また、ホルモンが不安定になることで発症する障害や前立腺の疾患により、会陰ヘルニアも併発することもあります。どちらにしてもこの病気は雄犬に起こりやすい病気ですので、雄犬を飼っている飼い主さんは注意深く見る必要があります。
犬の会陰ヘルニアの原因
- 雄犬に多いので注意!
- 骨盤隔壁の筋肉の弱体化
- ホルモン関連の病気から併発
予防法
会陰ヘルニアは95%の確率で雄犬に発症します。これはホルモンが深く関係しており、予防処置としては「去勢手術」をすることをおすすめします。
また、無駄吠えが多い犬の場合腹圧が上がってしまうことにより発症してしまうので、無駄吠えをしないように普段からしつけをすることが大切です。
犬の会陰ヘルニアの予防法
- 雄犬は去勢手術
- 無駄吠えさせないしつけ
治療法
会陰ヘルニアは主に外科療法となります。飛び出した腸や膀胱などの臓器を元の位置に戻し固定します。それと同時に筋肉の隙間を縫って再発を防止します。
また、この病気は未去勢の雄犬に発症しやすく、再発もしやすいため会陰ヘルニアと一緒に去勢手術もします。内科療法では、ヘルニアを防止するために直腸に便がたまらないよう軟便化剤を投与します。
ヘルニアの治療費用
ヘルニアの治療費は内科療法でも外科療法でもどちらも大きな金額がかかります。そのことを事前に知ってから病院への受診をしましょう。
内科療法
- ヘルニアの診察代で約2500円~4500円(小型犬、大型犬により異なる)
- レントゲン5000円程
- CT検査 3万円~5万円程
- 治療薬 3000円~1万5000円前後
外科療法
- 各ヘルニア手術 20万円~50万円前後
このように、ヘルニアになると内科療法であっても万単位でお金がかかてきます。また、外科療法となれば手術となるのでそれなりの備えが必要です。事前に愛犬貯金をしておいたり、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。
かかりやすい犬種とペット保険料
次の犬種は、 会陰ヘルニア にかかりやすいと言われています。この犬種の飼い主さんは特に生活環境や発症・悪化させないようにしつけを行い、ペット保険に加入しておきましょう。
動物病院の治療費は高額になりがちです。治療費のために十分な治療ができなかったということにならないように、ペット保険に加入して備えておくことも、愛犬・愛猫の飼い主さんの大切な役目です。