獣医師からのペット保険選びの注意点
獣医師の体験から、ペット保険にまつわるトラブルを紹介します。トラブルにならないよう、しっかり確認して契約しましょう。
獣医師に聞いたペット保険にまつわるトラブル
私が実際に経験した、保険にまつわるトラブルをご紹介いたします。
「今の病気の治療は、保険に入ったら適用されるかしら?」
まず適用されることはありません(笑) 当たり前のことなのですが、実はこの手の相談ってかなり多いんです(苦笑)
ペット保険は、私たちの民間の保険会社の医療保険と同じようなものですので、加入前に審査があります。当然、その審査で引っかかると加入できませんので、病気にかかってから加入しようとしても、まず断られるでしょう。
ちなみに、アレルギー性皮膚炎や慢性心不全など、完治しない病気は、保険の加入前に病気にかかってしまうと、それ以降も基本的には保険は適用されません。ですので、保険はペットが病気になる前に加入しましょう。
「入院したことにしてもらえませんか?」
ペット保険の中には、入院保障のみのタイプや、手術保障のみのタイプなど、たくさんの種類があります。もちろん、それぞれで適用条件が異なりますが、中にはご自身が加入している保険だと適用されないからといって、虚偽による保険適用をお願いされることがあります。
しかしご本人に悪意のあるなし関係なく、これはれっきとした犯罪行為ですので、絶対にそのようなことはしないでくださいね。
ペット保険にまつわる実際に経験したトラブルをご紹介いたしましたが、このようなケースはあくまでも一部です。他にも「保険がおりてから支払いをしたい」「保険の請求の仕方がわからない」「保険に登録した名前とカルテの名前が違うから保険がおりない」というようなトラブルもあります。
このようなトラブルを避けるために、ぜひみなさんにご理解いただきたいことがあります。それは、ペット保険は、あくまで万が一の時に備えるものだということです。決して損得で考えるものではありません。
ですから、大切なペットに何かあったとき、少しでも医療費の負担を減らし、よりよい治療が受けられるよう、ペット保険もしっかりと中身を確認した上で加入されることをおすすめします。
ペット保険にまつわるトラブル
ペット保険にまつわるトラブルをあつめました。
-
窓口精算の対応動物病院が遠い。
(30代 女性)
補償開始日までヒヤヒヤ・・
ペット保険に加入した後に、補償開始までは1ヶ月ほどの期間があきます。
そのため補償開始までは、自己負担だし、大きな病気をしないかヒヤヒヤしました。
保険が開始するまでの待機期間もきちんと確認しておくべきだと思いました。
窓口精算対応病院が遠い
そして、病院の窓口で保険が適用される病院がなかなか見つからずに苦労をしました。もし窓口精算の対応動物病院でなければ、後日保険会社に自ら請求をしなければならないので手間がかかります。
そのため、トラブルと感じるのは家の近くの病院ではなく、遠くの病院へ通わなければいけない現状があります。もし愛犬が早急に治療が必要になった場合は心配です。
-
審査方法の変更で手続きや返金に時間がかかった
(30代 女性)
ペット保険に加入して2年間は、動物病院の領収書だけを送付すれば半額が返金されていました。
ペット保険に加入して3年目、胃潰瘍の疑いで投薬と内視鏡をしたので申請したところ、急に審査が変わったと言われ一度目は領収書にペットの名前を書かないと返金できないと言われ、また連絡があり領収書ではダメでた診断書が必要と言われ診断書を送付しました。がまた、連絡があり今度は、専用の書類に記載しないと受け付けないと言われ2ヶ月受理までにかかりました。
-
選ぶなら対応のいいペット保険を!
(20代 女性)
私の知人の経験談ですが、某ペット保険に加入して、しばらくたってからペット保険を使うことがあり申請したところ保険金が降りないとのことで、保険適用な事柄なのでおかしいと思い問い合わせたところ、あまり保険について詳しくないような要領を得ない人が電話対応し、何かといい返してきてとにかく保険は降りないと言われたそうなんです。
しかし改めて加入内容を見ても今回の事は保険適用なはずなので再度電話をかけ、そのことを説明しそれでも保険が降りないというのなら消費者庁に相談するしかないと伝えた所、入会金や今までの保険金全額返済するので退会してくださいと言われ、これから先この保険会社では不安だと思いその条件で退会をしたそうです。やはりペット保険は見極めが大事ですね。
できるだけトラブルに遭わないように、ペット保険の補償内容や契約条件をしっかり確認し、対応のいいペット保険を選ぶことが大切ですね。